頭痛の原因の大部分は片頭痛や筋緊張性頭痛などの慢性頭痛で、しつこい頭痛に悩まされる方も多くおられますが、一般的に後遺症を残したり命を落としたりするようなことは稀です。
しかし頭痛の中には時に命に関わるような疾患が紛れていることがあります。
危ない頭痛の最たるものとしては、くも膜下出血があります。くも膜下出血の頭痛は、突然の、ハンマーで殴られたような、今までに経験したことのない激烈な頭痛と表現されます。また頭痛に引き続いて、嘔吐や意識障害を来すこともあります。 くも膜下出血は、脳動脈の“こぶ”(脳動脈瘤)が破裂することで起こる病気です。
一度くも膜下出血を発症すると、1/3の方は命を落とし、1/3の方は重篤な後遺症を残すとも言われる非常に怖い病気です。
突然の激烈な頭痛を自覚された場合には、早期に病院を受診することをお勧めします。
また脳出血の際にも急性の頭痛が生じることがあります。脳出血の場合には、出血をきたした場所に応じて麻痺やしびれなどの症状が出たり、意識障害を来す、嘔吐、なども同時に起こる事が多いです。
これら出血性疾患は突然に発症しますので、突発的な頭痛は頭蓋内疾患の可能性があり要注意ですが、一部慢性頭痛、緩徐発症の頭痛の中にも危ない頭痛が隠れていることがあります。1つの例としては、脳腫瘍が挙げられます。腫瘍が大きくなることで次第に頭蓋内圧が上がり、頭痛が段々と悪化してくることがあります。慢性頭痛でも悪化傾向にある時には検査を受けることをお勧めします。
多めまいも頻度の高い病態で、ふわふわするめまい、ぐるぐる回るめまい、ふらつき感、など症状も様々です。
脳梗塞や脳出血など脳卒中の症状の一つとして、めまいが起こる事があります。脳卒中に伴うめまいの場合には、一般的にめまい単独での発症は頻度としては少なく、手足・顔面の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、バランスが取れずうまく歩けない。ふらつく、目が見えにくい、物がダブって見えるなどの症状と共にめまいを感じる事が多いです。めまいとともにこれらの症状がある場合には、早期に病院を受診されることをお勧めします。
また脳腫瘍の症状としてめまいが生じることもあります。持続するめまいでは注意が必要です。