乳がんは早期に発見し、適切な治療を行えれば、90%以上が治る病気です。
そのためには乳がん検診がとても大事で、いい医療施設を選ぶことが重要です。
乳がんは日本人女性の16人に1人が罹患するといわれ、なんと30歳から65歳までの死亡率の1位となっています。
特に家庭にとって一番大切で働き盛りの40歳代に一番多く発症します。
また、食生活や生活習慣の西欧化などの原因により、罹患者数と死亡者数はともに年々増加し、 国内では年間約4万人の人が発症し、約1万人が死亡しています。
乳房やわきの下のしこりや硬結
乳房の大きさや形の変化
乳頭からの分泌
乳房の皮膚や乳頭の変化(色の変化、くぼみ、しわ、ひきつれ、乳頭陥没)
もし異常を感じたら勇気を出して、一刻も早く乳腺外科の門をくぐりましょう。
乳がんになる危険因子としては
食生活の欧米化 | 40歳以上 | 初産年齢:30歳以上 | 子どもの少ない人 |
肥満 (標準体重+20%以上) |
独身の女性 | 閉経年齢:55歳以上 | 親戚に乳がんに なった人がいる |
などがあげられます。
またがんになりやすい年齢は40-50代ですが、意外と高齢のかたでもなります。
乳がんを疑う場合、さまざまな検査が必要になり、乳腺専門医を受診するのが理想です。
時間を無駄にしないために、すぐに当院への受診をお勧めします。
当院では、非漫潤がんや非触知乳がんなど、画像診断により発見できる乳がんを診断しようと日々努力しています。
なぜなら、早期発見されれば100%近く治ることが期待できるばかりか、安全に乳房を温存できる可能性も高くなるからです。
星光病院 乳腺外科 は、下記認定を取得しており、安心して診断から治療までおこないます。
日本乳癌学会関連認定施設認定証 | マンモグラフィ検診施設画像認定証 |
日本がん治療認定教育医認定証 |
早期に乳がんを発見するための診断方法には、マンモグラフィ検査で発見される微細石灰化、 超音波検査で発見される小腫瘤、異常乳頭分泌などの概ね3つに代表されます。
マンモグラフィは、乳がんの初期症状の1つである石灰化や腫瘤などを発見でき、 特に早期乳がんの唯一のサインである、ごく小さな石灰化を鮮明に写し出せるのが大きな特徴です。
女性技師による撮影なので安心して受けることができます。
マンモグラフィのレントゲン写真ですが、このようにがんはひきつれたような形になります。
超音波検査は、非触知の腫瘤を発見する検査で、マンモグラフィでは発見できないような小腫瘤の検出に有効です。
発見された腫瘤が悪性かどうか調べるためには、超音波ガイド下穿刺吸引細胞診と針生検があります。
当院では、細胞や組織が確実に採取できるように、触知する腫瘤でも超音波ガイド下で行っています。
乳頭分泌があれば、乳管造影や乳管内視鏡で検査します。
乳管造影は乳管孔に造影剤を注入しマンモグラフィを撮影します。異常を認めた場合、乳管内視鏡をすることがあります。
乳管内視鏡により腫瘤を認めた場合、病変を採取し病理検査をします。
乳管内を詳細に観察できるため、不必要な切除生検を避けることができるようになりました。
このように太さ0.7mmの髪の毛のようなファイバースコープで観察します。
意外とほとんど痛みはありません。
よって乳頭分泌、乳房の痛み、しこりがある、違和感があるなどの自覚がある時、ぜひ当院を受診ください。 マンモグラフィー、乳腺エコー、触診を行い、異常があるのか正常なのか診断します。
マンモグラフィー、乳腺エコー、触診で腫瘤があるとわかった場合は、針で腫瘍の一部の細胞をとります。
また必要に応じて少し太い針を使い組織をとります。これは局所麻酔下で行うため、痛みを伴いません。
これが針生検という病理組織検査です。
これらの検査を行うことにより、乳房内のしこりが良性のものなのか、ガンなのかを診断します。
これらの検査は当院で行うことができます。
良性の腫瘤であれば経過観察や、大きさや腫瘍の性質により摘出したほうがいい場合もあります。
悪性の腫瘤であれば手術の適応になります。
乳がんの治療は、手術だけでなくさまざまな治療法があり、放射線治療・化学療法(抗がん剤)・内分泌療法(ホルモン療法)など、患者さんにあった治療方法を選択していきます。
様々な治療法の中でも基本となり、第一選択となる治療は現在でも手術治療です。
10数年前まではどんな乳がんでも乳房切除手術(乳房と胸筋を切除)を行っていましたが、現在ではがんの進行・進展状況を考慮して、乳房温存手術(乳房の部分切除)が増えてきています。
当院でも最近5年間で約60%の症例が温存切除を行っています。
放射線治療・化学療法(抗がん剤)・内分泌療法(ホルモン療法)は、手術後にそれぞれの病状に応じて補助治療として行いますが、場合によっては手術前に行うこともあります。
また、本当に乳房温存手術でいいのか、その後の治療法などもよく考えて、専門医とよく相談して決めましょう。
さらに場合によって(腫瘍サイズが乳腺にたいして大きすぎるようなケースなど)は乳房温存手術をすることで余計に形が変ってしまうことがあります。
そういった場合はむしろ形成の先生と一緒に美しい乳腺ができるかもしれません。
詳しくは担当医まで。
星光病院の乳腺外科は、最先端治療を駆使した乳がんの治療に力を注いでいます。
乳がんは急激に増加しており、診断~手術をおこなえる施設も多くなりましたが、術後化学療法や再発後の治療を同病院でおこなえる施設はまだ限られています。
手術はしたが再発後さまようという‘癌難民’が増えていることが大きな問題となっています。
その点、当施設は大学との連携があり、再発後もさらに癌転移がすすんだのちも治療をあきらめず、続けることができます。
また乳がんのみならず他の癌(大腸がん、婦人科がん、肺がん、胃がん、肝がんなど)もガイドラインに基づき治療も可能です。
そして副作用対策として入院せず化学療法をおこなえるよう、投与量をへらし、投与回数を増やすことでより効果を高めるような治療(Low dose chemotherapy)も行えます。
再発後もポートをつくり、癌専門の訪問看護で自宅で病院と同じような点滴サポートが受けることができ、なにより当院は24時間対応の救急体制も整っており、患者さんに何かあったときも、すぐに対応できます。
手術に関しては、乳房の整容性を重視した乳房温存術では変形をきたす場合が多く、実際は公衆浴場に行けない方が多いのが現状です。
当院では形成外科医師とともに乳房形成外来で同時再建術(温存術のときに同時に背中やおなかの筋肉を用いて補填する手術)を行っています。
さらに最近ではおなかの脂肪をとってむねに入れる再建(真皮脂肪移植)では、むねの形ばかりかおなかの脂肪もとれるため好評です。 再発や転移を防ぐための化学療法も、患者さんへの負担が少なく済むよう個々の体質やライフスタイルを見極めながら慎重に行っています。
今はがんと上手く付き合いながら外来でも治療していける時代です。
長期間に及ぶ闘病生活の中で重要なのは、患者さんがいかに生活の質を落とさずに治療を続けていけるかということだと考えます。
化学療法は体に負担もかかるため、患者さんとご家族が安心して治療に臨めるようにサポートいたします。
また、当院は女性乳腺担当医師(常勤1人・非常勤3人)が多いのが特徴です。
予約外来では、女性技師による撮影・女性医師が診察および治療にあたります。
その間、子どもを持つ患者さんのために託児所を設けていますので、安心して受診いただけます。
また、仕事の妨げにならないよう土日も乳腺健診を実施するなど、治療や健診に専念できる環境作りに努めています。
関西最大の患者会『ひまわりの会』では、年1回の日帰り温泉旅行、年2回の総会・講演会もあり、みんなで苦難をのこえるよう支援しています。
患者さんが病気と共に歩んでいくという気持ちを失わないよう、手厚くサポートしています。
治療を受けながら社会生活を行える抗がん剤の外来化学療法は、患者さんにとってはたいへんにメリットが多く、この支援は医療施設の重要な役目です。
ところが、抗がん剤は副作用が強いものが多く、専門家の診察が必要となります。
また、大病院では、診察待ち、採血結果待ちに加え点滴時間が長くかかるので、約半~1日時間がかかってしまいます。
これでは、とくに仕事をされている患者さんには、大変な時間の負担になってしまいます。
当院では、なるべく土曜日など週末ゆっくりやすめる曜日に抗がん剤治療をおこない、専門医によるからだへの負担の少ない治療を目指しています。
また抗がん剤治療の負担のあるかたには在宅訪問で栄養点滴治療をおこなうこともできます。
「どうして私が…」がんと診断されたとき、誰しも不安や絶望感で気持ちがいっぱいになります。
しかし、このような気持ちから立ち直り、がんと闘い、がんを克服した患者さんはたくさんいます。
乳がんは早期発見が可能で、予後が期待できるがんのひとつであり、優れた検査法や有効な治療手段が多いことから、 早期発見であれば完全に治せる可能性も十分にあります。
たとえ進行していても、症状に応じた有効な治療手段が用意されています。
日常生活や治療中に、分らないことや不安になることがあれば遠慮なく医師・看護師にご相談ください。